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08
「メイン盾との合流」
公園。
スベリ台前。


「だーかーらー! スベリ台から飛び降りて死ぬのー!」

宇沙子
「あんたもう、なんでもいいのね。もうツッコミ疲れたわよ……」

「え!?」


「うさちゃんがツッコんでくれないと死ぬ! 恥ずかして!」
宇沙子
「恥ずかしかったならやめなさいよ!!Σ( ̄□ ̄;)」

タタタタ!
俊介
「麗!」
俊介と七六八が到着。

つくし
「ふぅ……。やっと、メイン盾が来たか」

「これで勝つるですね」

滑り台の上

「しゅしゅしゅしゅしゅしゅ俊ちゃん!?」カァァァ////

スルーッ
滑り降りる。

宇沙子
「ん?」

ギュッ
宇沙子の後ろに隠れる麗。


「な、なにしに来たの!!
私は、なるちゃんとの対局で負けたから、もう会っちゃいけないんだよ!」


「って、ていうかブランコのタイミングで来てよ! タイミング悪すぎ!!」


「鉄棒のタイミングも面白かったですよw
鉄棒グルグル回りながら『頭に血が登って死んでやるー!』って言ってましたよw」

「ちょ!?」

宇沙子
「その調子で『俊ちゃんに会いてぇー!』って本音出てたわね」
佐雪
「宇沙子さん『本音出てるわよ!!』ってツッコんでましたねw」
つくし
「そのタイミングで私が登場だ」


「も、もうみんなうるさーい!! わかった! わかった!!
私が全部悪いんです! 知ってました!」


「……だ、だからもうみんなとは会わない! それでいいね!!」
たったった……!
宇沙子
「あ……」

俊介
「待てって、麗!」
がっ
麗の腕を掴む。

俊介
「俺は、麗と話がしたい! 頼む、聞いてくれ」

麗の後ろ姿。

「……無理だよ、もう」


「私だってわかってるよ。俊ちゃんは……囲碁が強い人が好きだって……
私だってわかってるよ」プルプル


「俊ちゃんが私を頼ってくれた理由も、途中で気付いたよ。
私なんかより、私の囲碁の力に惚れてるんだなって……気づいてたよ」


「だから、私は囲碁で負けれなかった! 負けるのが嫌だった!
俊ちゃんに嫌われないためにも絶対! 誰よりも強くありたかった!」


「でももうそれも無理……。どう考えたって、なるちゃんの方が強い。誰が見たってそう」


「なるちゃんの方が可愛いし、ずっと良い子だよ……」
俊介
「麗……」


「だからね。私はもうイイんだよ……。私の事はもういいの。
二人が幸せになってくれた方が、綺麗だよ……。素直だよ……。私応援するよ……」


「だからね……。手、放して」
俊介
「…………」


「ここでギャルゲーだったら選択肢が出そうですね」
宇沙子
「ちょっと黙んなさい」

「ごっめんっ!↑↑」

俊介
「……離すわけがないじゃないか。絶対。
今までだって、これからだって。
麗を見捨てるつもりなんて、絶対に無い事だ」

俊介
「麗……お前は悪くないんだ。元はと言えば俺が全部原因だから。
こんなに俺の事を、思ってくれている師匠がいる。
それなのにもかかわらず、他の道場に弟子入りに行ってしまう。
そんな弟子に師匠は怒って当然だよな。
ああ、ダメな弟子だ」

俊介
「麗、済まなかった」

俊介
「ごめん!」ペコリン

「っ!!」

宇沙子
「はあ……やれやれね……」

「ええ、決まったでしょう」


「でも、負けたから……罰ゲームは受けないとダメだから……」


「いや……そんなの嫌だよ……!!」ポロポロ
座り込む麗。


「俊ちゃんと二度と会えなくなるなんで……やだよ……!! うぅ……っ!!」

俊介
(……この件については厳しいだろう。なんせ自分からふっかけた事。
他人から見れば「たかが囲碁の勝負」で片付いてしまうことだろうか……)

ダッ!
俊介
「麗!?」

七六八
「……っ!?」

七六八の前に来る麗……!
手を付いて、土下座……!!


「ごめんなさいなるちゃん!!」


「こ、こんな事で許して貰える訳ないと思う!
だって私は! 私が勝った時は、もうなるちゃんを俊ちゃんに近づけない気でいた!
だからこれは身勝手なお願いになる! でもどうしても、どうしても分かって欲しいんだよ!!」
深々


「ど、どうかお願いします!!
俊ちゃんと二度と会えないというのはどうかなかったことに!
せめて別の事にして下さい!!」
俊介
「や、やめろ!?」


「おや、なにやらおかしな事になってきましたよw」
つくし
「しまったな。笑うタイミングを逃したか」

麗をぎゅっと抱きしめる俊介。

俊介
「さ、流石にそれはやめてくれ!! そんな、師匠の……!
麗の見苦しい姿!! 俺は見たくない!!」
宇沙子
「そ、そうよ! 流石に同年代の子に土下座は見てらんないわよ!?」

宇沙子
「七六八ももういいでしょ!?」
七六八
「え……えと……」

七六八
「ダメです!」
宇沙子
「鬼畜か!!」

俊介
「麗……。聞いてくれ、俺の恥ずかしい話をしよう」

「え……?」

俊介
「俺は麗と会うまで、一回も抜いた事がなかった。
中学2年、一般男性からしたらかなり遅いほうかもしれない。
俺は女性の体には興味がなかった。もちろん男性にもだ。
インポかと思って病院に行くところだったりもした……」

「…………」

俊介
「そんな俺を唯一震い勃たせる存在があった。
そう、囲碁だ。俺は囲碁が出来るより強い女性でしか興奮しないという
異常性癖だったんだ」
宇沙子
「それ、下でもある程度大丈夫よね?」

俊介
「あとは……わかるな?」

「……え?」

俊介
「俺は今まで「麗」でしか抜いた事がなかったんだよーーーー!!」ドッ!

全員
「…………」

宇沙子
「な……なななんで今それをいったのよ!?」


「うーむ。これは麗さんの恥の掻き捨てでしょう」
宇沙子
「超イケメンね!? こんな爆弾発言でキュンとしたのは初めてだわ」


「う……」


「ププーwwwwwwwwwwwwwwwwwww」クソワロタ
宇沙子
「あ、めっちゃウケてる」


「はははwww。もうビックリwww 俊ちゃんも私と同じだったなんてwww」

俊介
「え?! 麗も自分で抜いてたのか?」

「違う違うwww でももうそれでいいわwww」


「ごめんね。俊ちゃん!
そして、ありがと!」

俊介
「ああ……!」
佐雪
「なんかすごいキラキラしてます!」
宇沙子
「イケメンね!」

ザッ

七六八
「残念ですが……お話はそれでいったんストップです」
俊介
「……!」

俊介
「七六八……本気なんだな?」

七六八
「はい」

七六八
「罰ゲームはちゃんと受けて欲しいです」

「…………はい」プルプル正座。

七六八
「俊介さんにはちょっと大変かもしれませんが、私のお手伝いをしてもらいます。
男手があるととても助かるのです」
俊介
「ん?」

七六八
「「俊介さんを1日自由に使える券!」ありがたく使わせていただきます!」ニコー!


「……そっち?」
七六八
「はい?」


「いやいや、それはない!?
だって、今までの流れと対局時目の前で聞いてた、なるちゃんがそれはない!!」
七六八
「えっと……」

七六八
「確かに今までの流れで、よくわからない発言が多かったです。
それと七六八が前髪下ろしたあと、麗さんなんて言いました?」

七六八
「つくしさんの言葉しか聞いてなかったです」

「ええーーーー!!」

七六八
「なにか問題でも?」コク?


「( ゚д゚)……」


「ううん……。
なるちゃんもありがとね」

つくし
「では、一同部室に戻るとしよう」
佐雪
「はい!」