麗過去編に戻る
08
「水曜日放課後」
【背景:グラウンド】
放課後。

俊介
(麗……共に囲碁を鍛えておくとは行ったが、詳しい再戦日を決めていない。
この前の弁当の件といい気になる点はある。
結局麗の友達を怒らせて、弁当をダメにしてしまった……。 謝罪もしておきたい……)
俊介
(とりあえず、麗と会ってみよう。なぁに、軽く会話するぐらいだ)

探す!
【背景:暗転】

女子
「うららさん? さぁ見かけませんでしたけど……そんな事より私と付き合わない?」
男子
「しらねーよ。そんな事より俺と付き合わないか?」
オカルト部員
「これはまさに神隠し!! あなたも私が神隠し!!」
外国人
「ウラーラ? エキハドッチデスカ??」
ぬこ
「残念やけど、わからへんわ」
魔王
「それより勇者よ。いつ私を倒しに来るのだ?」

………………。
…………。
……。

【背景:暗転】

俊介
(ダメだ。誰に聞いても行方不明か)
俊介
(スマホ……。あざといと思って使わない様にしていた。
ココは軽くメールでも送ってみるのもありだろうか)

…………。
【se:ピッピッ】

俊介
(「まだ校内にいるだろうか? 図書室で待つ」)

【se:パチン!】

俊介
(ふぅ……。上出来だ! 20分くらいかけて考えたメールなだけはある! 図書室へ急ごう)

【背景:暗転】

【背景:図書室】

俊介
(メールの返事はないようだ。とりあえず、囲碁の本でも読みながら時間を潰す事にする)

時計の針の音。
【se:カッカッカッカッカッ……】
【背景:暗転】
【se:カッカッカッカッカッ……】
【se:ピッ】

図書委員
「ありがとうございましたー」
俊介
(……来ない)
俊介
(もう一度メールするか? ダメだ。メールが溜まってメール欄がパンパンの状態とか想像してみろ。
十数件とかあったら、ストーカーみたいでドン引きものだ)
俊介
(……っていうか俺はなんなんだ。あいつのなんなんだ?
彼氏でもあるまいし、図々し過ぎやしないか?)
俊介
(しかも会ってまだ数日。ただあいつが囲碁強かっただけ。
そんなやつネット上なら山ほどいるじゃないか)

席を立つ。

俊介
(バカバカしい……。自分の行動がバカらしい。別に会うなら明日会える。
対局したいなら家でネット碁で良い。あいつも帰った。学校に残る選択は……しないだろう)
俊介
(今日は帰るとしよう……)
俊介
(メールぐらい入れておこう。2通ならセーフだ。
「悪かった。忙しい様なので帰る。また明日」ああ、書くのに1分も掛からなかった)

【背景:暗転】
【背景:通学路】

俊介
(拍子抜け……。
そりゃあいつからしたら俺なんてなんでもない存在だろう。
負かした相手には興味も沸くまい。すぐは対局しないって約束もしたんだ。
それに弁当の件……そりゃメールも返さないだろうな……)
俊介
(……帰ってテスト勉強だな)