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18 「木曜日希新回想2」 |
過去数ヶ月前 【se:ぎぃ……】 椅子に座っている希新。 【se:すっ……】 立ち上がる希新。 【se:たったったった】 碁盤の前へ。 希新 (父から貰った碁盤……。もうこんなにも、ホコリが溜まって……) 【se:かさ……】 【se:パチッ】 【se:かさ……】 【se:パチッ】 【se:かさ……】 【se:パチッ 一人で囲碁を打ち出す希新。 希新 「……ぅ……」 希新 (ごめんなさい……) 希新 「うっ……うう……」 希新 (ごめんなさい……ごめんなさい!) 希新 (私は……力が無かった。 あなたに愛される力が……無かった) 希新 (悔しいのに……悔しいのに) 希新 (もう、打つ気はなかったのに……打つ気はなかったのに) 希新 (私は……どうして……。 またこうやって打ちだしてしまうのだろう……) 希新 (本当に……この囲碁が……好きだった) 希新 (私は、こんなにも……大好きな遊びだったんだ……!) 【背景:高原家玄関】 過去 希新 「わぁ、スゴーイ! 大きい碁盤!」 父 「ははは……慌てるなよ」 希新 「重ーい。 私が部屋に持っていくー……」 父 「大丈夫か? 持っていけるか?」 希新 「平気平気ーw」 ゆらっ 【se:ゴン!】 壁にぶつかる希新 父 「!?」 父 「ほらほら、無茶するなって……」 希新 「ねぇお父さん……」 父 「どうしたんだい?」 希新 「私が大きくなったら、こんなおっきいーい碁盤が欲しい!」 希新 「私専用の、おっきい碁盤でいっぱいいっぱい、みんなと対局したい!」 父 「おお、そうか」 父 「なら……、もう少し大きくなったら、希新にも買ってあげよう。 そしたら、いっぱい対局ができる」 父 「そして……希新に友達がいっぱい、出来るといいね」 希新 「うん! いっぱい友達作るんだ!」 希新 「あ、そうだ! せっかくだから対局しようよ! この碁盤で!」 父 「おお! やるか!」 父 「手加減ナシだぞーww」 希新 「望むところだしーww 置石なくても良いしーww」 父 「いい度胸だ! かかってきなさいw」 希新 「よーしw」 ………………。 【背景:明転】 希新 (ごめんなさい……お父さん。 私は、本当にダメな人間です……) 希新 (あいかわらず……この囲碁には振られっぱなしの、片思い) 希新 (片思いだけど……私は、今もずっと囲碁が好きなんだ……) 希新 (またきっと……小さいときみたいに) 希新 (楽しく、友達と囲碁を打てる日が来ますように……) ……。 …………。 ………………。 |