麗過去編に戻る
23
「仲直り」
次の日
【背景:通学路】

俊介
「…………」

「…………」

「……待っててくれたんだ」
俊介
「ああ、約束したからな」

「でもココ。私の通学路からちょっと離れた位置だったり……」
俊介
「!?」

「来ないでいたら、どうしてたのかな……?」
俊介
「そうだな……。逆算して「ダッシュで学校まで行った時、ギリギリ朝のHRには間に合う様に」とも考えていたよ。
麗が学校に居る可能性も考えなきゃならんしな」

「はは……そんなところだろうね」

「昨日は……その」
俊介
「待て!」
俊介
「昨日はすまなかった! ごめん!」

ペコリと謝罪をする俊介


「え……?」

「いやその! 俊介君は謝らなくていいよ! だってほら、元々私の勘違いなんだし!!」

「私ったら、勝手に変な妄想膨らませて……。
俊介君はただ囲碁を打ちたかっただけなのに、勝手にその……盛り上がっちゃってて……」

「わ、私なんかと付き合いたくないよね……?
俊介君は……みんなに人気あるし。
私は……ただのいじめられっ子だし、勉強も全然だめで、スポーツも出来ないし……」


「勘違いして、ごめんなさい……」
俊介
「いやいや、俺のほうこそすまなかった。
ずっと囲碁の事ばっかり考えてしまっていて、麗の気持ちを分からずに過ごしていた」

俊介
「でも、麗の考えは、それで良い。それが正しい。
何故なら勘違いしていたのは、俺の方だからだ」

「ふぇ?」
俊介
「ああ、つまりだ。
いつの間にか俺は、囲碁でお前に勝てれば麗と付き合える権利を掛けて、戦っていたんだな」

「え?」
俊介
「なのに俺は……たった数戦で辞めるような意思を見せてしまった。
ああ、そうだ! そりゃ麗も怒っても無理はない……。麗はそんな軽い女として見てはいけないんだ」
俊介
(そう、囲碁の師匠として!)

「ん??」
俊介
「だから俺は決めた……。俺はいつか必ず、麗に勝つ! 絶対に麗に勝つ!! その時は……」
俊介
「その時は、俺と付き合ってくれ!!」

【se:ザバササササササ……!!】
麗のうしろで沢山の鳥が飛び立つ!


「…………!?」

俊介
「(`・ω・´)キリッ」
おばちゃん
「あらあらw 若いわねぇw」

「な…………なぁ!?」
かぁぁぁぁああああ///////

(なんか、またちょっとズレた方向に勘違いしてる!?)


(……けど!)

「そ……そんな……そ……」

「その時は! よろしくお願いします!!」
ペコリン!!

俊介
「ああ! もちろんだ」
俊介
「しかし、あれだな……。麗に勝つとなると、相当遠い目標だろう」

「へ?」
俊介
「だって、昨日の対局が実力だろう?
あれに追いつくとなると、相当な努力が必要そうだということだ……」

「……はっ!?」

(そ、そっか! それって勝つまで私達は付き合えない事なんだ! しまった!!)

(わ、ワザと負けようか? 私なら上手く負けれるはず……。ってダメだ!
この前、本気出しちゃったんだ! 俊介君程の碁力なら、気付かれちゃう……!!)

(やっちゃったー!! じゃあ今から、「やっぱり勝たなくてもしてもいいよ☆」とか言ったら
なんか尻軽っぽい感じになるしー! ああああっ!!)
俊介
「そういえば、麗……」

「うえぇ!?」
俊介
「その髪飾り、付けてきたんだな……。凄く良いと思うぞ」

「え……そ、そお……? へへへ……」
俊介
「なんだか、変な誤解もあったけど、これからも仲良くして貰えるか?」(師匠として)

「うん! 勿論だよ」(友達として)

大きなすれ違いもあった二人だが
これからも、仲良くしていくことだろう。
まだちょっとしたズレもありそうだが
二人の仲はこれで落ち着く事になったのであった。