麗過去編に戻る
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「最終テスト」
【背景:俊介家】

いつも通り、俊介の家に来た麗。
母、京子さんに小言でなんか言われる。

俊介
(ん? 母さんがなにやら麗をからかっていた様だな……。何を話していたのだろう?)
俊介
(いや、そんな事は気にする問題ではない。そう、今日からは甘やかさない。
もっと厳しい範囲を学習してもらうのだから)

【背景:俊介の部屋】

俊介
「今日から、ちょっと勉強の範囲を広めたいと思う。
「良く出る」から「出る」までの問題を含める」

「は、はいっ!」
俊介
「覚える量もかなり増えるが、ココまで学習しておけば如月学園合格も間違いないだろう。
覚えられればの話ではあるが……」

「う、うん! 頑張って覚える!」
俊介
「……なぁに、麗の学習能力があれば難しい話ではないさ」
俊介
(……俺はなにを恐れているのだろう? 麗が不合格にならないか心配なのか?
違う……なんかこう、もっと爆大な脅威だ)
俊介
(それが目の前にいる様な気がする……。そして、すぐ後ろから追って来るような……)

「ん? なに?」
俊介
(ま、まあ気のせいだろう。麗は俺の味方だ。
変なところで負けず嫌いを出すのは良くないな……)

【背景:学校】

俊介
(今日が中学校最後のテストだ! ……よし、いいぞ! いつもより調子がいい!!)
俊介
(麗に教えながらも、自分でも吸収してきたんだ! 行ける! 過去最高高得点が狙える!!)
俊介
(くくく、麗……お前には、感謝してる。囲碁でお前の方が強いということは認める。
だが、学力で一番なのはこの俺だ……!! ふふふ……!)

【背景:暗転】

俊介
(キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!)
俊介
(700満点中698点! 圧倒的だ!! コレなら、1位間違いない!!)

先生が上位ランキングを掲示板に貼り出す。

俊介
(ああ、勝った! 俺は勝ったんだ!! 残念だったな麗……。
なぁに、お前が2位でも、俺はずっとお前の味方だ……!)ニタァ

ざわざわ……。

楓河
「俊介……お前……」
俊介
「なんだ、楓河。気にするな、ちょっと2位と離したぐらいで俺はそんなに(ry」
俊介
「へぅーーーー!?(息を吸う様な声)」

【デーン!!】
\1位 天津川 麗 700点/

俊介
「勝ぁてるわっけねぇええだろっ!!!」

俊介は帰宅後、自分の部屋へ行き、2時間眠った。
そして、目を覚ましてからしばらくして、自分の取り柄が全て麗に取られた事を思い出して
泣いた。