宇沙子過去編に戻る
05
「ブサ狩り族新隊長」
ブサ狩り族本部。

パチッ
囲碁を打つ族の一人と美人。

ブサ狩り族
「今、戻りました。
ここらの地域のゴミ拾い、ブサイクのフルボッコ。
終わりました!」
美人
「ご苦労さま……」

美人
「その調子で汚いモノは全てこの世から消し去りなさい」
ブサ狩り族
「はっ!」

ブサ狩り族碁打ち
「……すみません。私の負けですね。投了します」

美人
「いいのよ。続けなさい」
ブサ狩り族碁打ち
「え?」

ブサ狩り族碁打ち
「しかし、数十目差。美人様の勝ちは揺るぎませんが……」
美人
「続けろと言ってるのよ」

美人
「私はね……囲碁の最後の『整地』する作業が好きなの」

美人
「それと……汚い手を打つやつを最後までボコボコにするのがだーい好き♪」

ブサ狩り族新隊長、美人。
黒髪ロングの整ったお姉様タイプの顔立ち。
ボンキュボン、出るところが出たスタイルの良い。
可愛いではなく「美人」側の女だ。

ブサ狩り族碁打ち
「……っ!?」ゾクッ……
美人
「あなたもヨセの勉強になるでしょ」

美人
「最後まで諦めないでね」
ブサ狩り族碁打ち
「は、はい……」

ブサ狩り族
「美人様っ! ここら一帯のブサメンはもう街を歩いていません。
病院もてんやわんや状態、我々も活動限界が近いです」
美人
「そう……」


美人
「そろそろ私も動かないとダメなようなのね……」

ペラッ

カリカリカリ……。
ブサ狩り族
「ん?」

美人
「ココに新たな法律を設立する……」

どーん!
『 イ ケ メ ン 保 護 法 案 ! 』

美人
「私の囲碁魔法能力は『法律を自由に増やせる能力!』
この能力があれば、既にこの私はこの世界を征服したも同然……!!」

美人
「ただ弱点は法律によって、かなりの数の碁石を使用することね。
ついでに片っ端から碁石を集めてきて頂戴」
ブサ狩り族
「はっ!」

美人
「既出の法律を消すのは難しい、ただ書き足す事は出来る……」

美人
「例えばこんな感じに」
カリカリ……。
ブサ狩り族
「?」

『イケメン生活保護法案』
国からイケメンと認められた場合、生活保護として
国の税金から生活に困らないだけの資金が支給される。

『ブサメン税』
ブサイクは歩いているだけで人々に不快を与えているため、
毎月給料をイケメンの人数に応じてブサイク税として支払う。

ブサ狩り族
「ひ……ひでぇ……」
美人
「これだけでも、かなりブサイクを減らせそうね……
出来れば、土下座しながらイケメンに手渡しで渡して欲しいものだけど」

美人
「勝手に自殺してもらえれば、手間が省けるしね」

美人
「ついでにコレを書き足しましょう!」
カリカリカリ……!

『ただし、被害者がブサイクだった場合、加害者は罪に問われない』!!

美人
「ふふふ……これでブサイクからは、窃盗、殺しなんでも出来るわ……」

美人
「さあ、家に篭ってるブサイク共も引きずり出して、皆殺しにしなさい!!」
ブサ狩り族
「はっ!!」

ギィッ。
座る。
美人
「さて、囲碁の続きでもしましょうか」
ブサ狩り族
「はい!」

美人
「……あら?」

美人
「あれだけの事でこんなに碁石が減ってる……。
これじゃ対局にならないわね」

一子手に取る美人。

美人
「碁石とはとても美しい円形をしている……。
まるで真珠のよう、惚れ惚れするほど美しいわ」

美人
「ん? ココちょっと欠けてるわね……」

美人
「ぶさ石は嫌いよ」
ポイッ

パキッ
投げた碁石が割れる。