宇沙子過去編に戻る
08
「イケメン・美人の基準を『2ちゃんレベルまで引き上げる』わ!」
ブサ狩り族本部。

美人
「ふふふ……実に良い……実に愉快だ!
街からブサイクがどんどん減っている!!」

美人
「今や完全にブサイクは悪! 存在するだけで極悪なのだ!!」

美人
「君たちも知っているだろう? 『子供を不審者から守る法律』を……」
ブサ狩り族
「はい、知っております!」

ブサ狩り族
「子供に話しかけるだけで、不審者扱いされるという法律ですね」
ブサ狩り族
「ただ、あれはロリコンを効率よく逮捕するためのものでは?」

美人
「否っ!!
全てのロリコンが逮捕されていると思うのか?」

美人
「子供が好き。猫が好き。可愛いモノが好きというのは誰にでもある感情だろう?」
ブサ狩り族
「ええ」

美人
「そう、この法律には裏があるのだ。
この法律は『ブサイクを不審者として効率よく牢にブチ込むための法律』なのだよ……!!」

美人
「過去にも数々のイケメンが子供に話しかけてきただろう。
ただ、それらは通報はされないし報道もされない。『優しいお兄さん』で済まされる!
イケメンの場合、この法律が適用されないのだ!」

美人
「『ブサイクを逮捕する法律』なんて露骨なものは作れないものねw
アグネスちゃんも考えたものだよ」
ブサ狩り族
「なるほど、そうだったか……」

美人
「更に『生活保護法案』!!
手足がなかったり、頭がパッパラパーだったり、日常的生活に不自由な者が、国から援助金を貰える法案だ!」

美人
「しかし、顔面に致命的生活の不自由が存在していていても、
国はそれを不自由とは認めない! 国はそれを障害とは認めない!」

美人
「『国』が言っているのだよ!!
『ブサイクは邪魔だ! 救う価値なし!! この世から消えろ!!』ってね!!」

美人
「そう! 私がやっている『コレ』は現在日本でやっている風習や法律のいわば『強化』!
今までもブサイクをそういう扱いをしてきた癖に、今更なんの文句があるというのだw」

美人
「国は私に感謝してもしい物だなw はっはっはw」
ブサ狩り族
「たしかにそうだ……」

ブサ狩り族
「これを先に気付くべきなのは、まず国民の方だな」
ブサ狩り族
「元々国民自体がブサイクに優しくなかったんだ。
美人様から始まったことではなかったんだよ」

ブサ狩り族
「美人様。
法律提案後、ブサイクの人数は急激に減少。
結果日本人の人口が1割減りました」

美人
「1割〜? 少ないわね……」
ブサ狩り族
「どんでもありません! 人数にして1000万人になります!」

ブサ狩り族
「その上更に1割が逮捕。
警察も家宅捜査を開始し、街を歩いてるだけ、家にいるだけのブサイクもほとんど逮捕しています」

美人
「それでも思ったより、遅いわ……国民のバカ共は何をやってるのかしら?」

美人
「ではこうしましょうw」

カリカリカリ……!
ブサ狩り族
「?」

美人
「イケメン・美人の基準を
『2ちゃんレベルまで引き上げる』
わ!!」ババーン!!

ブサ狩り族
「な!?」

ブサ狩り族
「や、やめてください! それだけはやめてください!!」
ブサ狩り族
「あいつら、アイドルでもお構いしにブサイク判定いたします!!」
ブサ狩り族
「そんなそんな事をしたら……!!」

ブサ狩り族
「日本国民の9割が、ブサイクとして判定されてしまいます!!!」
ゴオオオッ!!
日本

美人
「黙りなさい!!」ゴスッ
ブサ狩り族
「ごぶっ!!」
ブサ狩り族に蹴りを入れる美人。

美人
「あんたらモヒカン野郎が、誰のおかげで生き延びられてると思ってるの?」

美人
「私の下につかなきゃ、あんたらハゲはあっという間に地獄逝きよ!」
ブサ狩り族
「うへへww も、申し訳ございません……w」
ブサ狩り族
(嬉しそうだ)

ブサ狩り族
「そうだ! 日本より……海外の法律を操る事は出来ないのでしょうか?」
美人
「ん?」

美人
「えーと、それは出来るんだけど、事実上出来ないわ」

ブサ狩り族
「え?」
美人
「海外の法律は、英語とかアラビア語とかで書いてるでしょ?」

美人
「私、日本語しか知らないもの」
ブサ狩り族
「勉強してください!!」

美人
「更にあなたたちに任せたくても、私が書かないと意味がない。
私が理解してないと効力がない。
海外とか距離を取れば取るだけ、影響を与えるために大量の碁石を必要とする……」
たったったった……
美人が歩き出す。

美人
「そしてこれ……」

パカ。
美人が自分のカバンを開封。
ブサ狩り族
「ん?」

テーン!!
ブサ狩り族
「こ……これは!! 全テスト答案用紙オール0点!?」
美人
「私は勉強が嫌いなの。
うしろに落書きして提出したわ」

ブサ狩り族
「うお!? 先生から赤ペンで『カワイイ絵ですね♪』って書かれてる!!」
ブサ狩り族
「嘘だろ!? ブサイクだと教師に助走付けて殴られるレベルなのに、
美人が相手だと褒められんのかよ!?」
ブサ狩り族
「結局0点ではあるが……」

美人
「更に私は、料理が苦手、裁縫が出来ない、運動音痴……。
見た目以外は、取り柄はない……」

美人
「なにも出来ないわ!!」
ブサ狩り族
「すげぇ!! 堂々と言った!!」
ブサ狩り族
「ちょっと可愛いぞ!!」

美人
「そう! 美しければなんにも出来なくてもいい!!」

美人
「料理、裁縫は教えてあげれる欲求が満たされ、運動音痴はドジっ子属性に変わる!!」

美人
「美人だけが許される錬金術よ!!」
ブサ狩り族
「おお……!!」

ブサ狩り族
「恐ろしい……顔がよければ、どんなステータスだってプラスに変わるのか……」
ブサ狩り族
「思えばさっきのドS感もたまらんくなってきたぞ……!!」
ブサ狩り族
「ブスだったらあれほどムカつく事はないだろう……おそるべし顔面社会!!」

美人
「さあ! この調子でどんどん日本を綺麗にしていくわよー!!」
ブサ狩り族員
「うおおおおー!!」

新たな法律によって、ブサイク狩りは加速する!!

ねらー
『全ての国民は名前出し、住所、顔写真を提出ネット上に晒すこと。
マスク、サングラス、ヘアピン等の着用は許さない。
化粧をせず、すっぴん状態の写真を載せること。
一部でも整形したものは、即死刑とする』

掲示板。
雰囲気イケメン
「ふざけるなお前ら!! マジでふざけるな!!
なんで俺がブサイク判定なんだよおおおおお!!!」
ねらー
「お前はどう見ても雰囲気イケメン」
ねらー
「ブサイクの遠吠え乙www」

ねらーによる無差別判定が開始される。
その判定基準は「なんか気に入らないから」だけ!
気に入られなければ即死刑!!

学校の教科書。
子供
「ブサイクは過去60年にも渡り、沢山の人間たちを殺し、レイプしてきた危険な生き物です」
子供達
「ひでぇー」

遠足。
先生
「山でブサイクにあったら、危険です。死んだふりは通用しません。そのまま食べられてしまいます。
食べ物やパンツを持っている場合は与えて、気を取られているスキに逃げましょう!」
子供
「はーい!」

ゲーム業界。
ゲーム業界ではブサイクを撃ち殺すゲームが大流行!
子供
「ラスボスのブサラントがめっちゃ強いー!」

子供
「ブサイクに噛まれるとなー。ブサイクウイルスに感染してなー。
ブサイクになってまうねん!」
子供
「ブサイクをヘッドショットで高得点や!」

映画上映。
ホラー映画『ブサメンの生贄』が大流行!
キャー!
ガイジン
「あのブサイク! 頭撃たれたのに生きてやがるぜ!?」

女子学生
「もうめっちゃ怖かったですー」
女子学生
「ブサイクなのに、人間並の知能で襲って来るなんてこわいわぁ〜」

しかし、この事態におかしいと感じるブサイクも現れる。
ブサイク達はチームを作り、数百人ものなる団体が生まれる!!

ブサメン男
「この自体はおかしい!!」
ブス女
「そうよ! この流れはおかしいわ!!」
まぁブサイクな男
「ブサイクの人権はどうなってんだよー!!」

ぷしゅーーーーーーー!!
謎の有毒ガス!!

まぁブサイクな男
「な、なんだこのガスは!?」
ブス女
「キャーーー!!」

ブサメン男
「うっ……オロロロロロ……!!」
下呂を吐きもがき苦しむ男!!
まぁブサイクな男
「ブサメン!? ……うぅ!?」

バタバタバタ……!
イケメン
「な……なんだ!?」

イケメン
「人が次々に倒れていく!?」
美女
「あれ? 私達は平気?」

生 物 兵 器 !!

テレビのCM。
イケメン博士
「こちらは、対ブサイク様に作られた殺虫剤の様なものです。
ブサイクにしか効果がなく、イケメンに害はありません」

イケメン博士
「さぁ皆さんもコレを撒いて……がいちゅ〜駆除☆」キラッ☆イケメンスマイル
女子
「きゃーーーーーーーーーー!!(歓喜)」

非人道的と言われてきた生物兵器すら、イケメンの前では善に変わるのだ!

この兵器により、表で声をあげるブサイクは出なくなる。
チームを作り固まる行為は逆効果と判断する!

バダダダダダダ……!!
響き渡る、マシンガンの音!

生き残りブサイク
「ぐあああああっ!!」

狩り人イケメン
「ええ、日本では銃の使用は出来ないものでしたが、
ブサイクを狩るためなら使用してもいいという国からの判断です。
これで一層効率よくブサイクを減らすことが出来ますよ」

バダダダダダダ……!!
生き残りブサイク
「やめろっ!! やめっごほ……!」

ブサメン狩りは更に加速する!
一部の地域はもはや壊滅状態に!

動画サイト利用ユーザーの、壊滅的人口減少!
テレビの出演者が、壊滅的人口減少!
それを報道するものすら、壊滅的に減少した!

結果、ブサイクは街から消え去る!
しかし、ブサイク狩りは終わらない! 何故か!?

国民の美的感覚の上昇だ!
今までブサイクとされていないものまで狩られ始めたのだ!
その連鎖は更なる連鎖を呼び、国民の減少を産む!

そしてついに、日本国民の半数!!
約6000万人が街から消え去った!!

……それは、自らも苦しめる結果となる。

ねらー
「あ……もうダメだ……オワタ」
ねらー
「なんでだよ……家族は関係ないだろ……」
ねらー
「あっ。みんなすまん、俺も詰んだわ……。ブサ狩り族が来たわ」
ねらー
「おーい、誰もいないのかー?」

大掲示板ユーザー……自らまいた種で、
ついに壊滅。