宇沙子過去編に戻る
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「バグ中で存在する者は『バグ』に気付けるのだろうか?」
それは、『バグ』だ。

人妻
「ウェイwwwウェイwww」
宇沙子
「!」

宇沙子
(あれは……ブサイクな子の母親?)

世界が誰かの手によって『バグ』らされている。

宇沙子
「こんにちは……」
人妻
「あら? 碁会所の子ね。こんにちは」

果たして、その中で存在する者は
その『バグ』に気付けるのだろうか?

宇沙子
「失礼かもしれませんが……お子さんは?」

人妻
「ああ……。ブサイクだったからね。持って行かれたわ」
宇沙子
「え?」

宇沙子
「随分、軽く言うんですね。
あんな顔でも最愛の子でしょう?」
人妻
「え? そうだったかしら……」

人妻
「でもブサイクだし仕方ないんじゃない?」
宇沙子
「仕方ない?」

宇沙子
「自分の子を仕方ないで済ませるられるの?
最近出来たくだらない法律に、なんでそんなに素直に受け入れられるわけ!?」
人妻
「最近……? 何言ってるの?」

人妻
「『イケメン保護法案』はずっと昔からある、正しい日本の法律じゃない?」

宇沙子
「……え?」

フラッシュバック。

宇沙子
『なんだか、ヒドイ事になりましたね……』
老人
『ああ、急に半数以上がもうココに来んようになったわ……』

宇沙子
『やっぱり最近できたあの法律のせいで……?』
老人
『ん? なんの事じゃ?』

戻る。

宇沙子
(そういえば、碁会所の老人さんも、法案について疑問に思ってなかった?
っていうか、最近できた事に気づいてなかった?)

人妻
「では、私はこの辺で……」
宇沙子
「ま、まって!」

宇沙子
「じゃあ、なんでブサイクは数日前まで、
あんなに沢山生き残っていたんだと思うんですか!?」

人妻
「え?
そういえばなぜかしら……。どこかに隠れていたのかしら?
いえ、それまで沢山のブサイクを確認していたような……あれ?」

人妻
「よくわからないわね」
宇沙子
(どういうこと?)

宇沙子
(まるでこの人は、自然に法律を受け入れたかのような感じになってるわ……
そもそもなんで、私はそれに気づいているの?)

宇沙子
(じゃあもし……私以外でこの事実に気づいている人がいるならば……)
ガチャコン!
自販機でジュースを買うブサ狩り族。

ブサ狩り族
「ふぅ〜……。やれやれ、ひでぇ世の中になったもんだ」

宇沙子
「っ!」

たたっ……!
ブサ狩り族に寄る宇沙子。

宇沙子
「失礼。今『世の中になった』って言ったわよね?」
ブサ狩り族
「あれ?」

ブサ狩り族
「君は教室の時の宇沙子ちゃんじゃない!」
宇沙子
「あら? 教室の時のブサ狩り族の人?」

ブサ狩り族
「いやぁねw うちの隊長のせいでさw
こんな自体になるとは思わなかったよw」

ブサ狩り族
「宇沙子ちゃんは可愛いから、生き残ってたようで安心したよ」
ゴキュゴキュ……
ジュースを飲むブサ狩り族。

宇沙子
「…………」

宇沙子
「ねえ、あなた……」
ブサ狩り族
「ん?」

宇沙子
「ちょっと、隊長の所まで案内してくれない?」