宇沙子過去編に戻る
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「ブサ狩り族本部」
ブサ狩り族本部。

ブサ狩り族
「……美人様。
大変なことになってきました」
美人
「ん?」

ブサ狩り族
「今やブサイクはいないと言ってもいい。
しかし、その人数激減により、日本経済は崩壊寸前……いえ崩壊しています」

美人
「なぁにぃ……?」

ブサ狩り族
「いままで奴隷となるブサイクは消え、イケメンだけの世の中になったからです。
働かなくていいイケメンが増え、素材不足、食糧不足が起こっています」
美人
「ぐっ……!! こいつら……!?」

美人
「ブサイク共は死んでまで、私に迷惑をかける気か!!」
ブサ狩り族
「更にこちらをご覧下さい」

ピッ
テレビを付ける。

ブサメン国旗を背に、軍服、銃を構えた数人のブサイクが映される。
美人
「……!?」

ブサイク隊長
『我々人間の体に生まれながらにして、人間として扱いを受けず数十年間生きてきた』

ブサイク隊長
『我々は人としての生活を手に入れるため、自由を手に入れるため、ココに宣言する』
美人
「なに!? こいつらは??」
ブサ狩り族
「ブサイクの生き残りです。東京と関西の大都市で、
地下に巨大なブサイク組織を作っていた様です」

ブサイク隊長
『我々はココにイケメンに対し『宣戦布告』をする!』

ブサイク隊長
『我々を人として扱わなかったイケメンたちを今こそ全滅させる時だ!!』
ブサイク隊員
『うおおおおおおおおおおお!!!』

ブサ狩り族
「彼らは死んだと思われていたブサイク達です。
彼らは彼らで、新しい国を作りました」
美人
「ぐ……くっ……!!」

美人
「くっそぉ!! こいつら……!! 私の可愛いイケメンたちを!!」

美人
「法律でねじ伏せてやる!!」
グッ!!
ペンを握る美人。

ブサ狩り族
「美人様。もう無理です……」

ブサ狩り族
「こうなってしまっては、法律でどうこう出来る状況ではありません……」

ブサ狩り族
「もう日本各地で『顔面差別戦争』が始まっております」
美人
「…………!」

美人
「そ、そうだ! 人口を増やそう……!」

美人
「女は子供を10人以上作らないと違法として……」
ブサ狩り族
「やめてください! 無茶です!」
ブサ狩り族
「今からではもう遅すぎます!」

ブサ狩り族
「もうこれ以上手を加えるのはよしてくださ(ry」
扉の向こう。
ブサ狩り族
「な……なんだお前は……ぐあぁ!!」

ガシャーン!
ブサ狩り族
「!?」

ブサ狩り族
「ま、まさか本拠地がバレた!?」
美人
「うそ……!?」

美人
「そ、そんなはずはないわ……だって私の能力は(ry」

シュバババババッ!!
扉が、切り刻まれる。

ボーン!!
バラバラに吹き飛ぶ扉。

ブサ狩り族
「だだだ、誰だァ!?」
美人
「待て……!
強大な碁力を感じる……!!」

もくもく……。
煙が晴れていく。

黒い影。

そこに立つ、小さな少女。

東 宇沙子……!

ブサ狩り族
「お……女の子!?」
美人
「……!」

美人
「お、おやおや……。
どんなやつが登場するのかと思ったら、これは可愛らしいw」

宇沙子
「あなたが隊長ね」
美人
「ええ……そうね」

美人
「しかし、あなたはとてもおかしい人物ね。
普通の人ならココに絶対気づかない……いえ、気づく事が出来ないの」

美人
「私の能力は、法律を書き加える事……。
そして、その法律は『元からあったかの様に、国民全てがそれに適応する』」

美人
「例えば消費税を100%にしましょう。
すると国民は『そんなもんか』と最初からあるルールとして捉えるのよ。
今存在する、大量の矛盾法律のようにね」

美人
「そして誰もそれに本拠地があるなんて想像はしない。
理解できるわよね?」

たったったった……。
美人
「だからココには誰も攻め入らない。ココは完全に安全なの」

美人
「言うなれば……あなた自体がこの世界の『バグ』なのよ」

宇沙子
「……そう、説明ありがとう」

宇沙子
「私もかなり偶然ココを見つけたわよ。そしてあんたの発言で解けた」

宇沙子
「そうね。私にバグを発生させたのは一人の人物……。
バグる前からさっきまで、ずーっと私にちょっかいを出してきたやつ……」


タッタッタッタ……。
宇沙子位置取りのため中央へ。
宇沙子
「あいつがいなかったら、私もみんなと同じようにバグってたでしょうね」

美人
「あぁ?」
宇沙子
「そして私は、あんたが起こしたバグを修正しに来た……」

スッ!
美人に手を指す宇沙子。
宇沙子
「あんたに今から、囲碁の対局を申し込むわ!」

美人
「……対局ぅ?」
宇沙子
「これは囲碁魔法の能力でしょ?」

宇沙子
「ならば対局でかき消せる!
あなたが賭けるのは『あなたの使った能力をなかった事にする』よ」

美人
「ほほうw この世界を元に戻すと?
ずいぶんデカイものを賭けさせるのねw」

美人
「じゃああなたは何を賭ける? 命か? その体か? 足りるとも思えんな」
宇沙子
「なんでもいいわ。あなたの好きにしなさい」

美人
「ん? なんでも……そう」

ガタッ
タッタッタッタ……。
宇沙子の周りをまわる美人。

美人
「う〜ん、あなたでいいわね……」

美人
「ずいぶんと可愛らしい……。一生私の下で動いてもらおうかしら」
宇沙子
「…………」

美人
「あと、沢山のイケメンを用意するわ。
そいつらと沢山セッ○スをして、沢山子供を産んで頂戴!」

宇沙子
「い、イケメンとセッ○ス!?」
美人
「そう、あなたは産む機械……」

美人
「沢山のイケメンと美女の遺伝を残してもらうわ……!」
宇沙子
「そ……!?」

宇沙子
「ほっ……//// そんなジョーケンに……! 私が、屈するわけないれしょ……!////」
ブサ狩り族
(めちゃめちゃ屈しそうだ!)
ブサ狩り族
(もうひと押ししたらワザと負けてくれるくらい屈しそうだ)
美人
(ん? 私なにか良いこと言ったかしら?)

宇沙子
「と、とにかく! あんたに自由を奪われるのは御免ね!!
その条件で相手になってやるわ!!」

美人
「では行きましょう!」

パチン!
美人の指パッチン。

どん!
どこからともなく現れる碁盤。

ブサ狩り族
(美人様……案外簡単に対局を受けたな)
ブサ狩り族
(当の本人も、今の状況はあんまり好きじゃないのだろう)

にぎり!
どちらがなんの石を持つのかを決める。

宇沙子
「……私が黒石ね」
美人
「私が白……」

宇沙子
「よろしくおねがいします!!」
美人
「よろしくおねがいするわ」

そして、宇沙子と美人の対局が始まる。