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「よく見たら、あんたはブサイクだわ」
美人
「さあ、あと30目どうやって稼ぐつもりかしら……?」

宇沙子
「ぬぐぐ……」

宇沙子
「あ、あんたそんなことして勝って楽しいの?」

宇沙子
「こんなの結局、元の囲碁としては負けよ……?」
美人
「はっはっはww 勝ちゃぁいいのよ勝ちゃぁあ!!」

美人
「ルールを変えようが整地をごまかそうが、出来ることで勝ったんだよ!!
負ければ悪! 勝てれば正義!! そうやって正当化して世界は回ってきた!!」

美人
「ルールに従っているのだから? 私の行動はなにも間違っていないのよ……!」

宇沙子
「あ、あんた……性格の方はことごとくブサイクね……」
美人
「性格ブサイクぅ!? 笑わせんじゃないわよww」

美人
「顔がイケメンだったら何を言ってもいいのよ!?
顔が美しければどんな事をしても許されるのよ!?」

美人
「それが今の世の中!!
『性格ブサイク』などwww ブサイクが考えた僻み! 妬み!!」

美人
「美人に嫉妬してる暇があったらとっとと打ちなさいよ!
手が止まってるのよww」
宇沙子
「く……」

宇沙子
「こんなバカのせいで、みんなは……ぶさ男は……」
美人
「はて……w ココに来てまで、死んだやつの味方をする?
ブサイクの味方をする?」

美人
「ブサイクは顔面に性器を付けて歩いてるような恥晒し共だ。
捕まって当然、死んで当然だろ?」

宇沙子
「っ!?」
美人
「ブサイクは利用されているだけ、愛されているブサイクなんて一人もいねぇんだよ!!
あなたはまだそれに気づかないのか!?」

宇沙子
「そ、そんな事無いわ!!」
ガタッ!
立つ!

宇沙子
「そ、そんなこと……。
世界を探したら……どこかにはきっと、いるわよ……」

美人
「世界ね……はいはいw 顔面社会の日本にはまず、いないでしょうけどねw」

座る。

宇沙子
「許さないわ……」

宇沙子
「あんたが言ってる事は、日本に長くからある風習かも知れない。
今後もブサイクは嫌われる存在かも知れない……」

宇沙子
「だからといって、毛嫌いし続けるあんたを私は許さないわ!!」

パチーン!
黒石を打つ宇沙子!

美人
「おやおや……。言っても分からぬバカなんちゃらというやつね……」

パチ!
白石を打つ美人!

美人
「よく見たら、あんたはブサイクだわ!」
しゅー……。碁石から立つ湯気。

美人
「短い髪!」パチ!
「短いまつ毛!」パチ!
「小さな鼻!」パチ!
「マルい顔!」パチ!
「低身長!」パチ!
「小さい胸!」パチ!
「くびれのない体!」パチ!
「ぽっこりお腹!」パチ!
「イカ体型!」パチ!
「むっちりとしたフトモモ!」パチ!

パチ……!!
美人
「あんたはどう見ても……ブサイク認定だわぁ……!」

美人
(…………。
左辺の死活は生きたわよね……。手を広げるタイミングね……)

宇沙子
「ちょっと……あんた」

宇沙子
「泣くわよ」ウルウル……
ブサ狩り族
(めっちゃ泣きそうになってる!!)
ブサ狩り族
(自分に対しては豆腐メンタルだ!!)

宇沙子
「うう……」

宇沙子
(ん? この死活……)

宇沙子
(見た目は下に眼が出来そうだし、上に1つの軽い3眼……。
素人目では、生きて見える……)

宇沙子
(でもこれ……)
美人
「さあ、そろそろ投了したら?」

美人
「もう私の勝ちは揺るがないでしょ?」
ブサ狩り族
(え? あの美人様が投了を進める?)
ブサ狩り族
(かなり焦ってるようだな……)

宇沙子
「……いえ。まだよ」

宇沙子
「まだこっちには大きな仲間が付いていたわ……」
美人
「ん?」

宇沙子
「主人公補正っていう……最強の仲間がね!!」
パチン!

美人
「はぁ!? 何言ってんの!?」

美人
「主人公は私よ!!」
パチン!!

ブサ狩り族
「いやいや! 俺が主人公だ!!」
ブサ狩り族
「いやいやいや! 俺が主人公だよ!!」
「違うオレだよ!」
「俺だ俺だ!」
「俺だ俺だ!!」

ブサ狩り族
「はい! じゃあ、俺が主人公やります……!」
みんな
「どうぞどうぞ」

パチーン!

美人
(う……そでしょ!?
コウになるの!? ……これ)

宇沙子
「さて、コウ立ての数は足りるかしら?」

美人
「……ま、まだよ!
まだまだまだまだ!!」

美人
「コレが死んでもまだ届かないわよー!!」

カサッ!
碁石を取る!