宇沙子過去編に戻る
15
「美人の回想」
美人の回想。

美人
(私は小さい頃に強盗にあった……)
近くに父もいて、強盗は父の給料目当てで襲ってきた

強盗
「チッ……これだけしか持ってないニダ」
美人
(目が吊り目でエラが張ってる、気持ちの悪い日本人だった)


「大丈夫かい? 美人」
美人
「(((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルブル」
美人
(その事で、私ら家族が怪我をする事はなかった)

美人
(しかし、幼かった私にはその出来事がひどく心に傷を付けた。
顔がヒドいと心も歪んでしまうのだと、歪んだ顔を見ると恐ろしくてたまらない)

小学校。
女児
「美人さんの髪サラサラしてて綺麗〜!」
美人
「ありがと!」
女児
「ねーねー、どんなシャンプー使ってるのー?」

ブサ女児
「なにあいつ……。ただ見た目がいいからって調子こいて」
ブサ女児
「あいつより、私の方が成績もいいのにねーw」

美人
「…………」
美人
(それはブサイクの嫉妬だ。
顔面ブサイク共はどうしてこうも心が汚いのだろう)
女児
「美人さん気にしないで! 」
美人
(そんな小さな悪口でも、ブサイクが発する言葉が一番耳に障る。
私はそんなブサイク共が嫌いだった……)

美人
(そんな私でも好きな人がいた)
美人
「あ、あの……! す、好きです! 付き合ってください!」

イケメン男児
「……は、はぁ?////」

イケメン男児
「う、うるせぇよ! お、俺はお前の事なんか好きじゃねぇよ……!////」

イケメン男児
「あ、あっち行けよブス!!」
美人
「ビクッ……!」

たったったったった……!
走り去るイケメン男児。

美人
(私は思った。ブサイクは嫌われる存在なのだと……)
美人
「グスン……」

目をこする美人。
美人
(ブサイクは嫌われる。汚いモノは嫌がられる。ここはそんな世の中なのだと……)
美人
「うぅ……」

美人
(ならば消してやる……。全ての汚い物をこの世から消してやる……!)

美人
(ブサイクをこの世から……!!)

………………。

回想終了。

整地。

結果、宇沙子の63目勝ち。
美人ルールにて、宇沙子の2目半勝ちとなった。

美人
「……た、足りなかったのね」

美人
「まぁ別にいいわよw
最初からまた作ればいいしw」

すくっ
立ち上がる宇沙子。

美人
「今回は正直失敗だったわぁw
ええ、次こそはもっと綺麗に作り上げてみせるわよ」

たったったった……。
美人の近くに寄る。
美人
「あんたもどうよ?」

美人
「気持ち悪いやつがいない。
綺麗な世界作りのお手伝いが出来るなんて最高でしょう?」

美人
「美人の私と、可愛いあなたが手を組む……。
あなたは頭も良さそうだし、より良い日本へと変えられる!」

美人
「さあ作りましょう!
ブサイクが存在しない美しいセ」

美人
「カ……?」
スッ。

( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン……!
宇沙子ビンタ。

美人
「…………!?」

宇沙子
「…………」

美人
「ぐっ……!!」

美人
「き、貴様ぁあ!!
美人の女を殴るなんて重罪だ!! 即死刑だわ!!」

宇沙子
「あんたなんか……」

宇沙子
「あんたなんか、美人でもなんでもないわよ……」

美人
「あぁ……!?」

宇沙子
「いっとくわ……あんた」

宇沙子
「今の時代、美人ではなくぷにぷにした可愛い子の方がモテるのよ……」

宇沙子
「いうなればあんたは……
ただの気の狂った『BBA』よ……」
サァ……!

美人
「ばっ……? BBAですって……!?」

宇沙子
「これだけ大量の碁石があれば、なんとかなりそうね……」

宇沙子
「ついでにあなたの能力もこれでおしまいよ。全部なかった事にするわ」
美人
「ま……!?」

美人
「待ちなさい!!
能力までとは言ってないはず!?」
宇沙子
「あら、言ったはずよ」

宇沙子
「あなたが賭けるのは『あなたの使った能力をなかった事にする』と
あなたの能力も消えるわ」

美人
「ふ、ふざけるなぁあ!!
そんなもの、通るわけねぇだろぉお!!」

宇沙子
「あなたの……」

宇沙子
「あなたの能力は、素晴らしいモノだったわ……」
くるっ

宇沙子
「もっとあなたが頭がよかったら、本当に日本をいい方向へと変えれたかもね……」

美人
「……!」

宇沙子
「行くわよ!!」
美人
「や、やめろ!!」

美人
「あなたはそれでいいのか!?
この世の中がまた汚れてしまってもいいのか!?
見苦しい世の中に戻ってもいいのか!?」

美人
「この世界をまた汚物まみれにするつもりか!?」
宇沙子
「…………」

宇沙子
「はは……。いいんじゃない?
見苦しいものがあったって……」

美人
「……!?」

宇沙子
「あんただって、誰が美しいって認めてくれるのよ?」

宇沙子
「みんなに『すごい』って認めてもらうには、
下の存在が必要でしょ!」

美人
「……っ!!」

宇沙子
「囲 碁 魔 法 ! !」

カッ……!!

ブワッ……!!

………………。

日本各地で、戦争が起こっていた。

イケメンとブサイク、戦う必要のない戦争が起こっていた。

碁石が光りだし、ほたるのようにゆっくりと空へと上がっていく。

人々は手を止め、イケメンもブサイクも。

空で輝く、碁石を眺める。

あれは何だろう?

あの光は何だろう?

あれはなんとあたたかな光なのだろう。

その輝きは、どんどん大きくなり。

日本中が光に包まれた。