宇沙子過去編に戻る
17(繋ぎ)
「残りの中学生活と高校の入学」
学校へ登校中。

宇沙子
(あれから更に半年が経ったわ)

女子1
「そうだねー。やっぱりある程度顔は良くなきゃ、彼氏として自慢できないよねーw」
女子2
「そうだな。私はある程度あればいいけど! あと筋肉!」
宇沙子
「やめなさいよ。中身だって大切よ」

女子1
「それでその人は今どうしたの?」
宇沙子
「えーと……(ry」
宇沙子
(私はというと、同じ学校で普通のJC生活を満喫していたわ……)

ブィーーン……!
宇沙子に近づく黒い車。

キィ……ピタ。
宇沙子の隣で止まる。
宇沙子
「ん?」

ウィー……。
おもむろに後ろ側の席の窓が開く。

謎イケメン
「やあ、うさちゃん。久しぶり!」

宇沙子
(うわぉ! ジュニアアイドル級のイケメン!!)

宇沙子
「わ、私になにかようですか!?」

謎イケメン
「やだなぁうさちゃんは……」

ぶさ男
「俺だよ! あの時のぶさ男さ!」

宇沙子
「ええーーーー!?」

宇沙子
「いやいやいや!! ちょーっと待ちなさい!!
たしかに着ている物は似てるわ! でも骨格体型、全然違うじゃない!?」
ぶさ男
「骨格?」

宇沙子
「は、ははーん? さては整形ね!
整形したってあんたの遺伝子までは整形できないわよ!?」

ぶさ男
「えっと……整形なんてしてないけど……」
宇沙子
「イヤイヤイヤイヤイヤ!?」

ぶさ男
「そうだ! 始めたと言ったら、うさちゃんに見習って、僕も囲碁を始めたんだ!
そしたら見る見るうちに血行が良くなってw この有様さ☆」
宇沙子
(そこが来たかーーーーー!!)

囲 碁 補 正 !

囲碁補正とは「あ、俺実は囲碁打てるんすよー」と聞くとちょっと格好良く見えるアレの事だ!
知能高いアピールとして有効で、趣味で上がる評価値みたいなものなのだ!
ただ囲碁を打つもの同士でしか、効果がなかったりもするぞ!

宇沙子
「そういうパターンはやめてって言ったじゃないのよ作者ーーー!!」

宇沙子
「っててててっていうかなによ!? この高そうな車は!?」
ぶさ男
「あれ? いってなかったかな?」

ぶさ男
「僕の父は、大手会社の社長なんだよ。
高級車を買って税金を減らさなくてはならないくらい金持ちなんだ」
宇沙子
「なにぃーーーーーーーーーーーーー!?」

グイッ
窓に顔を突っ込む宇沙子。
少し引くぶさ男。

宇沙子
「そ、そうね! あの、あの時は私もちょーっと子供だったわ!
いいわ! あの時の返事はOKよ!! 私をどこにでも連れてって頂戴!」
ぶさ男
「い……いやぁ。それがね……」

ぶさ男
「向こうの学校で、彼女が出来ました☆」
お嬢様美人
「どうも〜♪」
宇沙子
「めちゃめちゃ可愛い彼女が助手席に乗ってるしぃーー!?」

ぶさ男
「ではこの辺で! また機会があったら会えるとイイね!」
宇沙子
「な……なな……!?」

ブロロロローン。
走り去る車。

宇沙子
「アワワワワワ……」
女子2
「あいつぶさ男だよなー?」
女子1
「ずいぶんと変わったねー」

走馬灯。
今までぶさ男と宇沙子であった事が、イケメン化されて流れる。

宇沙子
「ぶぶーーー!!」
バターン!!
女子1
「ああ! うさちゃんが泡吹いて倒れたーーー!!」

女子2
「だ、大丈夫かよ!? 宇沙子!」
宇沙子
「ひ……ひひ……!」

宇沙子
「ひどいーひどいー!!
そのオチはあんまりよー!あんまりよぉぉぉお!!(号泣)」
ゴロゴロン……!
地面を転げまわる宇沙子。

女子2
「ああ、そういえば宇沙子。あいつこの前フッたんだってな……」

女子1
「見る目ないねうさちゃん……」
宇沙子
「うう、うるさいわね!!
あんなイケメンだって知ってたら3秒でOKしたわよ!!」

女子1
「うわぁ……何それ? 差別じゃん……(ドン引き)」
女子2
「お前、顔で相手選ぶとかそりゃねぇわぁ……(ドン引き)」
宇沙子
「え? え!? ちょっと!」

宇沙子
「あんたらだってさっきまで、ぶさ男の事ボロクソ言ってたじゃない!?
なにその手のひら返しは!?」

女子1
「いやぁ、言ってたかなぁ……?」
女子2
「人に擦り付けるのやめろよ、宇沙子!」
宇沙子
「ええーーーー!?」

瞬く間にそれは学校中で噂になった。

それから宇沙子は友達にも見放され、
中学時代後半をほとんど1人で過ごす事となる。

宇沙子
「なんでよ……なんでよ……!
私は世界を救ったのに!」ガクブル
生徒
(何あのひと怖い……)

特にヒドイ事をされることはなかったが、
彼女に近づくものは居なかった。

先生
「二人組作ってー」
宇沙子
(余ったわ……)

宇沙子が中学を卒業するまで、何をやっていたかといえば
囲碁とかエロい事を考えて、妄想を膨らますくらいだっただろう。

宇沙子
(ムラムラしてきたわ)

唯一よく話をしてくれる母ではあったが、
イイ婿を早く連れてこいの一点張り。


「あんだもそろそろ、良い歳さなんのだがら、
早えうずぬ、婿さ作らんとわがんねぞ?」
宇沙子
「わ……わかってるわよ!」

そんな地元から逃げるため、母から少し離れるため。
自らの学力を活かし、遠くの有名校『如月学園』を受け、見事合格する。

そして入学。

高校の制服を着ている宇沙子。

宇沙子
「良かったわぁ。囲碁部が本当にあって!
この高校を選んで正解だったみたいね」

宇沙子
「さぁ! 今度こそ、イケメンの彼氏を作るわよー!」

そして、更に宇沙子は思い知らされることになるのだ。
自分が井の中の蛙であったという事に……。
宇沙子
「え?」

部活動編1話へ続く。