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●第5手「麗vs七六八」○
進行度:あらすじ
かなり予定的な流れが多いです。
●登場人物○

ここらで宇沙子が「彼氏欲しい!やべぇ状態!」←入学当初から

【宇沙子アパート】
母親から電話が着て「あんだもはえぐ良い婿さ、見つけらいんよ」と言われる。
宇沙子
「わ、分かってるわよ////」
宇沙子
(そんな事言われてもどうすれば……)
駅でフラフラ歩いていると、ホームに落ちかける。
宇沙子
「!」
そこをイケメン俊介君が助ける。
俊介
「大丈夫か?」
宇沙子
(この人は昨日の……)
「あ、ありがとう……」
宇沙子惚れる。

「どうしたのー?」
俊介
「ああ、昨日囲碁部にいた東さんだ」

「おう! うさちゃんじゃん!」

【電車の中】

麗と俊介が楽しそうに話している。
宇沙子
(この二人って付き合ってるのかしら?)

【放課後、部室】
入部希望として、集まったみんな。

慧が登場の歳、佐雪に後ろから抱きつく程度のセクハラ。

「ふむふむ……。この体型、良い体してますね」
佐雪
「なにするんですかー><;」

「いえ、どうも僕は佐雪先輩を気に入ってしまいましてね。是非とも仲間に引き入れたい」
佐雪
「な、なんの仲間ですかー!?」

「そんなに怖がらないでください。悪いようにしようってわけではないですかr(ry」ゴスッ
明日美
「やめなさい!!
佐雪に変なことしていいのは私だけなんだから!!」
佐雪
「それも違うと思うけど」
宇沙子
(おお? あの男子もイケメンね。どっちとも仲良くしていきたいわね)

「へぇー、あなたも文化部とは思えない良い体をしている。是非一戦交えて私の実験の協力者の一人になって頂きたい」
明日美
「ほう? 私をどうかしたいと? 言っとくけどあなた、私の方が先輩よ」
バチバチ!
佐雪
「あ、明日美ちゃん;;;」

それぞれが自己紹介をし、メンバー全員が名前を認識する。

つくし
「では、はじめにみんなの力量を図りたい。
それぞれ対局して、順位をつけてもらいたい」
放送
『古谷つくしさん、職員室まで来てください』
つくし
「残念だけど私は生徒会の事でちょっと出てくる。明日美君、あとはよろしく」
明日美
「(>Д<)ゝ”了解!」

負けたやつ同士、勝ったやつ同士の点数式対局をする。
ある程度割愛する事になるかも。なんか勿体ない(´・ω・`)
何話か増やして、それぞれのキャラの見せ場も出したいところ。

くじ引きで下の図のように決まった。

●対戦形式○
1回戦
1麗vs0宇沙子 1俊介vs0佐雪 1明日美vs0慧 不戦勝1七六八
2回戦
2麗vs1俊介 2七六八vs1明日美 1宇沙子vs0佐雪 不戦勝1慧
3回戦
3七六八vs2麗 2俊介vs1明日美 2慧vs1宇沙子 不戦勝1佐雪

七六八
「何も書いてませんでした」
明日美
「それは不戦勝ね。つくし先輩がいないと一人余っちゃうのよ」

1回戦

対局前。

明日美
「一回目で当たるとはこれはいい機会ね」

「ははは、こちらもいろいろお話が出来て好都合ですよ」
宇沙子
「…………」
宇沙子
「まさか1回目から麗と当たるとはね」

「よろしくね。うさちゃん」
宇沙子
「ええ、申し訳ないけど、今回は本気で行かせてもらうわよ!」

終局後

宇沙子
(ええーー!? 強すぎるわよ!?)
宇沙子
「ま、負けたわ……」

「ありがとうございました!」
宇沙子
(あ、ありえるの……? 私だって一応、地元では最強と言われていたのに……こんなに歯が立たないだなんて……
麗……恐ろしい子)

「……ここまでですね。残念、あなたも良い被検者になると思ったんですが」
明日美
「え、ええ。こんなものね……。まぁまた少し強くなったら相手してあげる」(危なかった……)
佐雪
「21目半差ですね……」
俊介
「なんだかすいません。先輩なのに」
佐雪
「いえそんな! 私は初心者ですから。むしろ投了のタイミングとか良く分からなくて、ごめんなさい」

2回戦

対局前。

「よろしくね。俊ちゃん!」
俊介
「麗とはずっと置石だったな。互先では久しぶりか」

「そうだねー」

佐雪
「宇沙子さんですね。よろしくおねがいします」
宇沙子
「はい、佐雪先輩。よろしくお願いします」
宇沙子
(この先輩は、確か初心者……。そんなに恐る相手じゃなさそうね)

終局後。

佐雪
「うう……。負けました、ありがとうございました」
宇沙子
「ありがとうございました」
宇沙子
(だ、誰よ初心者だって言ったのは! 全然普通に打てるじゃないの!)
佐雪
「明日美ちゃんにいろいろ教わってるんだけど……私ったらまだまだだよね……」
宇沙子
「え!? そ、そんなことないわよ! 凄いよく打ててたわよ?」
宇沙子
(あ、明日美……先輩!? 昨日戦った先輩が師匠なの!? 通りでしっかりとした打ち方をするわけだわ……)

カラカラカラ……

俊介
「すまんな、消化試合だったな……」

「ううん、全然! 俊ちゃん強くなったよ!」
宇沙子
(あっちは終わったようね。
麗の勝ち……坂野巻君の方が強いと思ってたけど、麗はそれ以上ってことね……)
宇沙子
(残るは明日美先輩の方だけど……)

ズン!

ズン!!

ズーン!!!

明日美
「そ……そんな……!?」
七六八
「…………」

ざわ……ざわ……。

明日美
(う、うそ……私が、100目差!? この大石が全滅!? あ、甘く見ていた!?
ち、ちがう……!)
明日美
(か、完全にこの子に踊らされていたんだわ……!!)
七六八
「?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
佐雪
「どう、明日美ちゃん?」
明日美
「!?」
ガシャッ!!
盤上を崩す明日美。
明日美
「ま、まいったわ! うん、私の負けねw いやー強いわね、七六八ちゃんはw」
佐雪
「……?」
明日美
「ありがとうございました!」
七六八
「はい、ありがとうございました」
宇沙子
(……勝ったのは、神野さんのようね)

3回戦。

明日美
「今日の対局はコレで最後。順位のわからない所は、後日対局するわね!」

「もう疲れたー! 明日にしようよー」
明日美
「こらそこ! 外は明るいし、運動部だってまだやってるわよ!」

「だって俊ちゃんので結構頭使ったんだもーん」
俊介
「麗、まだ来て1時間半だ。ココは先輩の指示に従うべきだろ?」

「ちぇー、俊ちゃんが言うなら仕方ないけどさー」

対局前

「よろしくお願いしますね。宇沙子さん」キラキラ
宇沙子
(うひょーw 凄いイケメンww)
宇沙子
「や、優しくお願いしますよ!」

麗と七六八が戦う事に。


「なんだよもー。早く帰りたいのにー」
七六八
「えっと……天津川さんでしたっけ?」

「うん。早くはじめよっか」
七六八
「はい……」

「七六八ちゃんって、ココまで全勝だから私と当たったんだよねー」
七六八
「?」

「七六八ちゃんって強いんだねー。
でも私、勝っちゃうと思うんだよねー」くたーっ
七六八
「!」
七六八
「……そうですか」

「まぁなんでもいっか。始めよ始めよ!」

「というわけで私が黒版だね! よろしくね」
七六八
「よろしくお願いします」

「うーん……いっつも同じように打つのは、なんかつまんないなぁー」

「そうだ! 最初は落ちたところに打とう!」
七六八
「?」

ピーン!
碁石をコイントス!

コン!
碁石が落下。

パシーン!
その上を指で抑えて、碁石を打つ!

七六八
「……!」
七六八
(コレは中央付近のなんでもないような手……!)

カッ
七六八も打つ。


「序盤は何処に打っても……一緒!」

ピーン!
碁石をコイントス!

コン!
碁石が落下。

パシーン!
その上を指で抑えて、碁石を打つ!

麗、適当に打つ。

七六八
「む…………。
そんな打ち方をしたのでは、碁石が可愛そうです」
ちょっとキレ気味になる七六八。

パチッ!
七六八、普通に打つ。

ピーン!
碁石をコイントス!

コン!
碁石が落下。

コローン。
盤の下まで落下。

「あ」
碁石を拾って、

パシーン!!
打つ!

七六八
「落ちた場所は一路となりでした」

パチッ


「置いた石は動かせない!
ここから私が、この石達との連携プレイを見せてあげるよ!」

【空想世界】
場所は森。

ぱしゃーん!!
麗の周りを飛び交う水の竜巻。

七六八
「水属性は嫌いです……」
七六八、黒煙の威圧感。
麗の水鉄砲をバシバシと弾く七六八。

カッ!!
七六八が反撃!

七六八が攻撃を仕掛けたところ。
麗が裏をかいて、七六八を吹き飛ばす!
木に叩きつけられる七六八。

バサン……!
七六八倒れず。
七六八の髪留めの、緑のピンが落ちる。

それを隣から見ている宇沙子。
宇沙子
「なんて子なの……・! 私と戦った時とは大違い。
序盤のパフォーマンスを除けば、あれが麗の本気……!」

俊介も逆となりから見ていた。

俊介
(……これはもう決まっただろう。麗にココまで大差を付けられて逆転できた奴を見たことがない。
もとい、俺ではまず不可能だろう)
明日美
(……?)
しかし、それに疑問に思う明日美。

七六八
「これで互角……」
七六八の闇の力が、一層強くなる。


「……?」

(な……なに?七六八ちゃんの雰囲気が変わった……!
そう……ここから本気を出してくれるってわけだね……!!)

【空想世界】
先に仕掛ける七六八。
明らかに動きが早くなる七六八。
華麗にかわす麗。
が。

「え? ……消え(ry」
ザァッ!!
七六八、裏の裏をかいて、麗の後ろに回り込む。

「……っ!?」
麗もビックリ仰天冷や汗状態。

【現実世界】
宇沙子
「……無いわ。ありがとうございました」

「ありがとうございました」
宇沙子
(強い……。確かに他の人と比べれば、今ひとつかも知れないけど、私より少し先を行ってるようね……)
宇沙子
「しょーがないわねー。私が出来る範囲ならー? その被験とやらに手伝ってあげてもいいわよー」(ちょっと嬉しい)

「はい、嬉しい限りです。宇沙子さんは理解力に優れていて素晴らしいですね」
宇沙子
「もう……////」

「では、機会がありましたらその時に」

宇沙子
(えーっと、坂野巻君の場所は終わってて……あと麗の場所だけね)
宇沙子
「坂野巻君の方、対局はどうだったのかしら?」
俊介
「ああ、運良く勝たせて頂いたよ。ちょっと明日美先輩も疲れていたようだし」
宇沙子
「そ……」
俊介
「問題は麗のこの対局だ……。あんなに差があったのに……」

差が全くなくなっている!!

宇沙子
「うそ!? 僅差? えっと……向こうと二つが同じくらいで……」
素人目では、見分けがつかないくらい僅差。

どっちだ?どっちだ!?
ガヤがざわつく!
宇沙子
(麗と神野さん……! どっちが勝つの!?)

ゆっくりと整地に入る。
で、結果。
七六八の1目半勝ち。


「……っふ」

「いやぁーw 最初変な打ち方したし、仕方ないかw」
と、自分をフォロー。
佐雪
「惜しかったねー」
宇沙子
「そうよ! ここまで打てれば上出来よ!」

やいのやいのwな空気。

すっ……。
と、七六八。
おもむろに盤上を指差して言う。

七六八
「ココ……」
みんな
「……?」
七六八
「このタイミングで、こっちのヨセを先にやってたら、1目の先手押しだった」

【se:ガタ】
立ち上がる七六八。

七六八
「……それだけ」

【ザァ……!】


「……っ!?」
俊介
「……っ!!」
明日美
「……っ!!」

ごおおおおお……っ!!


(半目負け? ミス? 序盤の攻防? 逆転? 差は無くなった? 
力量差? 院生? 碁力? 先手ヨセ? 
自信? 驚き? 恐怖? 絶望? 
気付かなかった? 気づけなかった? 甘く見ていた? 
次元が違った? 遊んでいた? 遊ばれていた!?)

宇沙子
「……あら? そうね。それなら半目じゃない! 惜しかったわねー」
七六八
「それでは、七六八は用事がありますので……」
と去る。
たたたー。
ガラガラピシャン。


「…………」


「うっ……うぐ……!」
宇沙子
「……え?」


「ふぐぅ……! うっうぅ……!!」
ポロポロ。
麗が泣く。

宇沙子
「ちょ!? そんなに悔しかったの!?」
佐雪
「だ、大丈夫ですか?! 麗さん!

【バタン!!】
ぶっ倒れる俊介。
宇沙子
「ええーー!!」
宇沙子
「なんであんたが倒れるのよ!!Σ( ̄□ ̄;)」
どさくさに紛れて抱え込む宇沙子っつ。
宇沙子
「大丈夫!?」
俊介
「いや……すまない」
俊介
「う、上手くは説明出来ないかもしれない……。
絶対に壊れないという壁があったとしよう。
それを崩すために、数年間試行錯誤をし、なんどもなんども破壊しようと叩いてきた。
結論として、その壁は崩れないし、その壁を壊す事は不可能だと、自らも決定付けていた」
俊介
「俺はその壁に憧れた。美しいと思っていた。大ファンであった……。
それをひょんと現れた少女に、あっという間に崩されてしまった。
そんな瞬間を目の当たりにして、立っていられる者がいるものか」
宇沙子
「なんで例えたの!?」


「うぐっ……」

(私が……完全に負けた……!?)
この日から、麗が”また”落ち込むことになる。

END